円、東京市場の戦後最高値 一時76円50銭近辺
11日午前の東京外国為替市場で、円相場は小幅に5日続伸。12時時点は前日17時時点に比べ7銭の円高・ドル安の1ドル=76円61~63銭近辺で推移している。目新しい材料はないものの、じわじわと円買い・ドル売りが進んでいる。
早朝の海外市場で76円53銭に急伸する場面があったものの、東京市場では持ち高を調整する円売り・ドル買いが先行し小安い水準で始まった。9時半ごろには損失を限定する円売り決済を巻き込んで77円23銭近辺まで下落した。
10時前の中値決済を終えるとドルのまとまった買い手が不在となり、円買い・ドル売りが優勢となった。10時半過ぎにはオーストラリアドルに対する円買いも波及し、上げに転じた。
12時前には76円50銭近辺まで上げ幅を広げ、東京市場の戦後最高値を更新した。市場からは「前日までのリスク回避ムードはいくらか和らいだが、なおドル売り意欲が強い」(国内銀行)との声が聞かれた。9~12時の円の値幅は73銭程度となった。
円は対ユーロで反発。12時時点は同1円28銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=108円96銭~109円01銭近辺で推移している。前日の海外市場で欧州債務問題がフランスに飛び火するとの懸念が広がり、ユーロ売り・円買いが進んだ流れを引き継いだ。7時半ごろに108円27銭と3月17日以来の高値をつけたあとは、利益を確定するユーロの買い戻しが出て円は上げ幅を縮小している。
ユーロは対ドルで反落。12時時点は同0.0157ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.4220~23ドル近辺で推移している。対ドルでもユーロを買い戻す動きが優勢で、ユーロは下げ渋っている。〔日経QUICKニュース〕