グーグルのGメールで情報盗難 「中国から攻撃」
米政府高官ら被害か
【シリコンバレー=奥平和行】インターネットサービス大手の米グーグルは1日、電子メールサービス「Gメール」利用者の個人情報が盗まれたと発表した。利用者への中国からのサイバー攻撃が原因で、米政府高官など数百人がメールの内容を盗み見られたもようだ。同社は既に対策を講じて安全を確保したほか、利用者に安全対策の強化などを求めている。
自社ブログで同日明らかにした。米高官に加え、中国の民主活動家、韓国などアジア諸国の高官、軍事関係者、ジャーナリストらが、偽サイトに誘導して情報を盗み見る「フィッシング」によりパスワードを盗まれたもよう。グーグルは既に対象者にパスワードの盗難について通知したほか、サイバー攻撃への対策を取ったという。
サイバー攻撃については「中国の済南市を起点としていることが明らかになった」と説明しているが、当局の関与などについては言及していない。「Gメールのシステム自体のセキュリティー問題とは関係ない」と強調する一方、利用者には複雑なパスワードに変更するなどの対応を求めた。
グーグルは2010年1月にも、Gメールへのサイバー攻撃があったことを明らかにしている。中国側は当時、関与を否定したが、米当局が中国のネット検閲を批判するなど米中間の対立が深まった。グーグルは同年3月に中国本土の検索サービスから撤退し、香港経由でサービスを提供する体制に切り替えている。