食料価格「今後10年は高止まり」 OECD予測
【パリ=古谷茂久】経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は17日、世界の農産物価格や生産高などを予測する「農業アウトルック」を公表した。高騰が続く農産物価格は年初の高値からは下落するが、今後10年の実質価格は過去10年を上回ると予測した。一方で農業生産の伸びも鈍化すると見通している。
現在の高価格に供給側が反応し、短期的には農業生産が増加することで価格は2010~11年の高水準からは低下するとみられる。ただ11~20年の平均価格を01~10年と比較するとトウモロコシで最大20%、鶏肉も同30%程度上昇する見込み。平均すると今後10年も高水準にとどまる。
一方、農業生産高の11~20年の間の伸びは1.7%にとどまり、過去10年の2.6%から鈍化する。開発が進み利用可能な土地が減少しているためで、生産性向上へ向けた投資の拡大が必要と指摘した。
アウトルックは今回、漁業についても初めて予測した。11~20年の間の世界の漁獲高の拡大は1.3%にとどまり、過去10年を下回る見込み。捕獲漁業の不振が続くとともに、養殖の成長も鈍化するためだ。