米国が2月と10年末に臨界前核実験 ネバダ州で
【ワシントン=大石格】昨年9月に核爆発を伴わない臨界前核実験を実施した米オバマ政権がその後も実験を続けていることが19日、分かった。米核安全保障局(NNSA)の四半期ごとの備蓄核兵器管理報告によると昨年12月と今年2月に西部ネバダ州で行った。米国の臨界前核実験は、のべ26回となった。
臨界前核実験は核物質にレーザーを当てるなどして変化をみるもので、臨界前で停止するため核爆発は起こさない。包括的核実験禁止条約(CTBT)でも禁止されていない。米国は核実験による放射性物質の飛散を防ぐため、大気圏、地下とも核爆発を伴う核実験は停止。1997年から臨界前実験に移行した。
「核兵器なき世界」を掲げるオバマ政権は発足後しばらく臨界前核実験をしなかったが、昨年9月に4年ぶりに実施。NNSAは既存の核兵器の安全維持のため、今後も実験を続ける方針を示していた。