児童ポルノ事件が過去最多 共有ソフトが抜け道か
今年1~6月に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は649件(前年同期比9.1%増)で、455人(同9.4%増)を逮捕・書類送検し、被害児童数は310人(同14.4%増)に上ることが4日、警察庁の統計で分かった。
いずれも統計を取り始めた2000年以降最多。摘発件数と摘発者数は7年連続、被害児童数は5年連続で増加した。全体のうち353件でインターネットが使われ、うちファイル共有ソフト利用が141件(同127.4%増)と急増した。
プロバイダー大手は4月から児童ポルノサイトへのアクセスを強制遮断するブロッキングを始めたが、共有ソフトはサーバーを介さず個人のパソコン同士で画像データを送受信でき、ブロッキングの抜け道として増加している可能性が高い。警察庁は愛好者グループの摘発強化を各都道府県警に指示している。
また、1~6月の児童虐待の摘発件数は153件、被害児童は162人、摘発されたのは163人だった。いずれも過去最悪だった昨年を下回ったが深刻な状態で、死亡児童は14人に上った。
刑法犯で摘発された少年は9年連続減少し3万6601人(前年同期比6.1%減)。一方で非行・補導歴のある少年が再び摘発される割合は増加傾向で今年上半期は全体の33.4%に上った。