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沖縄で特産品の商品化相次ぐ 「もとぶ牛」のカレーなど

2011/7/1付
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

沖縄県内で農畜産物の生産者、食品加工会社、自治体が連携した新商品開発が相次いでいる。本島北部の本部町では黒毛和牛「もとぶ牛」を使ったレトルトのビーフカレーやハンバーグなどを商品化。伊平屋島(伊平屋村)では黒糖を使った商品の第1弾としてミックス粉を売り出す。地域特産品をブランド化し、本土やアジアへの販路拡大を目指す。

農業生産法人、もとぶ牧場(本部町、坂口泰司社長)や食品加工会社、沖縄ハム総合食品(読谷村、長浜徳勝社長)などは30日、もとぶ牛を使った4商品を開発したと発表した。レトルトのビーフカレー(690円)、真空パックのウインナーソーセージ(790円)とハンバーグ2種類(各890円)。3年内に計1億円の売り上げを目指す。

もとぶ牛は、名護市のオリオンビール工場から出るビールかすを利用した発酵飼料を与えて肥育。不飽和脂肪酸の割合が高く、柔らかく甘みのある肉質が特徴だ。

もとぶ牧場は約2400頭を飼育し、本土を中心に毎月約100頭を出荷している。坂口社長は「高級牛ブランドとしての知名度を高め、中国、マレーシア、タイなどアジアへの輸出も目指す」と話す。

7月13日には那覇市内に県内2店目となる直営焼肉店も開く。

本部町の高良文雄町長は「本土では本部の和牛は高く評価されている。『もとぶ牛』としてPRしたい」と期待する。

また、伊平屋村やJAおきなわなどが進める黒糖商品開発プロジェクトの第1弾として、沖縄製粉(那覇市、竹内一郎社長)がミックス粉「黒糖アガラサーミックス」(300グラム、268円)を発売した。

来年2月までに8万袋を生産、その後は年24万袋を生産する計画。新商品のパッケージやコマーシャルの製作には、沖縄県立芸術大学の学生7人が協力した。

ミックス粉に水を加えて生地を作って蒸すだけで、黒糖の香りともっちりとした食感が特徴の伝統菓子「アガラサー」ができる。サーターアンダギーやホットケーキも簡単に作れる。

伊平屋島産の黒糖は甘みと塩味のバランスが特徴。伊平屋村の伊礼幸雄村長は「10月までに黒糖酒や黒糖シロップなどの新商品も完成させたい」と述べた。


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