関電が電力融通を中止 東電、供給計画見直しも
関電、15%節電要請も発表
関西電力は10日、夏場の電力不足に備え、企業や家庭にピーク時の最大消費電力を前年比15%削減するよう要請すると発表した。7月1日から9月22日(8月12~16日除く)の平日午前9時~午後8時が対象となる。これまで東京電力などに余剰電力を送っていたが、要請期間中は電力融通をやめることも表明した。
東電管内では夏のピークの電力使用が6000万キロワットに達するとみられており、関電を含む西日本の電力各社から約100万キロワットの電力融通を受ける計画だった。しかし停止中の原発の再開のメドが立たない関電以外の電力会社も電力融通の方針を転換する公算があるため、東電は「今後の電力融通を精査し、供給力を見極めたい」としている。夏場の供給計画の見直しを迫られる可能性もある。
大阪市の関電本店で記者会見した八木誠社長は「苦渋の決断だが(電力需要が高まる)夏を控え、停電を回避すべく節電をお願いしたい」と述べた。
強制力を持たない要請で、工場や商店、一般家庭などすべて一律に15%削減を呼びかける。法人への個別訪問や、広告で周知を徹底する。パナソニックは10日「(15%の節電に)前向きに協力する」とコメントした。
定期検査に入った原子力発電所が相次ぎ運転停止し、関電の原発のある福井県からは「地震や津波対策が不十分」として運転再開の同意を得られていない。夏場の需要期に電力が不足する懸念が出ている。
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