被災児童らに移動水族館 福島・いわき市
東日本大震災で被災した子供らを元気づけようと、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」(ふくしま海洋科学館)が8日、同市立郷ケ丘小学校で、海の生き物と直接触れ合える「移動水族館」を催した。校舎の被災により同校で学校生活を送る同市立久之浜第二小学校の児童らも参加し、水槽の中でうごめくウニやナマコの手触りに歓声を上げた。
郷ケ丘小1年の寺島陽菜ちゃん(6)は「ナマコの名前を初めて知った。ムニュムニュして気持ちよかった」と笑顔だった。
同水族館自体も震災により飼育する海洋生物の大半が犠牲になるなどして休業中。7月の再オープンを目指して復旧作業を進めながら、同市内の小学校4校に加え、県内の避難所2カ所を巡る。
子供の肌に直接触れることになるため、同水族館は放射性物質を懸念する保護者がいる可能性にも配慮。淡水から人工の海水を作り、生き物は静岡県から調達した。
水族館を運営する財団の古川健・命の教育課長は「津波による被害で海への恐怖を持つのは当然だが、我々が海の恵みで生活しているのも事実。子供たちが海に目を向けるきっかけになれば」としている。