纒向遺跡、新たに大型建物跡 大和政権の中心施設か
邪馬台国の最有力候補地とされる奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で27日までに、「女王卑弥呼の宮殿」とも指摘される大型建物跡(3世紀前半)のそばから別の大型建物跡の一部が見つかった。
桜井市教育委員会によると、詳しい年代は特定できなかったが、現場からは3世紀後半から4世紀にかけての土器が多数見つかった。日本書紀には4世紀の大王(天皇)との説がある垂仁、景行が纒向に宮殿を置いたと記されている。市教委は「大和政権の中心施設だった可能性もあり、年代特定へ向けた調査を続ける」としている。
見つかったのは、南北に並ぶ柱列で、東西1.2メートル、南北60センチの柱穴3個。柱穴の間隔は4.5メートルと広く、間には床を支えるための束柱跡も2個確認された。
柱穴の間隔や、束柱を持つ構造が2009年に約5メートル西で見つかり、卑弥呼の宮殿ともされる大型建物跡と似ており、同規模の建物だった可能性が高い。
発掘はことし2~3月に行われ、現場は埋め戻されたため現地説明会はない。現場の写真や出土土器は桜井市立埋蔵文化財センターで展示される。10月2日まで。〔共同〕