中国、パキスタンに戦闘機50機提供へ 米けん制か
【北京=島田学】中国、パキスタン両政府は20日、両国が共同開発した戦闘機「梟竜」(FC1)50機を6カ月以内に中国からパキスタンに提供することで合意した。国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者射殺を巡り、米国とパキスタンの関係がぎくしゃくする中で、中国はパキスタンへの接近姿勢を強めている。
AP通信などによると、中国を訪問していたパキスタンのムフタル国防相が明らかにした。17日から訪中していた同国のギラニ首相と中国首脳との一連の会談を通じて合意したとみられる。
これに関連し、中国の胡錦濤国家主席は20日、北京市内の人民大会堂で開いたギラニ首相との会談で「パキスタンはテロとの戦いで重要な貢献をしてきた」と述べた。パキスタンを支持する姿勢を強調し、米国への反発を強めるパキスタンの立場に理解を示した。
中国外務省はウェブサイトで、テロ対策など安全保障分野での対話や協力を強化していくことを話し合ったとした。中国と国境を接するパキスタンやアフガニスタンで対テロ作戦を展開する米国をけん制する思惑もありそうだ。