シンガポール総選挙、与党勝利確実 外相は落選か
【シンガポール=佐藤大和】シンガポール議会(一院制、定数87)の総選挙が7日投開票された。1965年の独立以来政権を担って高成長を実現してきた与党人民行動党(PAP)が過半数を獲得して勝利するのは確実。ただ野党各党は議席増に向けてかつてない選挙態勢を敷いており、過去最多の議席数を獲得する可能性がある。
8日未明、現地メディアはジョージ・ヨー外相が落選したと報じた。政権幹部の落選は前例がない。
新議会の任期は5年。リー・シェンロン首相にとっては就任後、2度目の総選挙。過去の総選挙はPAPが圧勝し、野党の最多獲得議席は4(1991年総選挙)だった。今回の解散時の議席数はPAP82に対し、野党2。今回は定数が3増えた。労働者党(WP)など野党勢力は「一党支配」の弊害を指摘、グループ選挙区1つでの勝利と最多議席の更新を目指していた。
選挙区は4~6人の候補者がチームを組み多数を得た党が議席を総取りするグループ選挙区15と、小選挙区12で構成。野党不出馬で公示日に決まったグループ選挙区1つを除く82議席を与野党が争った。有権者数は約230万人。同国では投票は義務と位置付けられ、投票率は90%を超えたもようだ。