希望者全員、65歳まで雇用義務付け 厚労省研究会提言
学識経験者らで構成する厚生労働省の「今後の高年齢者雇用に関する研究会」(座長・清家篤慶応義塾長)は7日、希望者全員が65歳まで働けるよう継続雇用を義務付ける制度が必要との提言を大筋で了承した。厚労省は今秋以降に労働政策審議会を開いて検討するが、継続雇用に伴う負担増から企業の反発も予想される。
現在は60~65歳の雇用を確保するため、企業に対して(1)定年引き上げ(2)継続雇用の導入(3)定年廃止――のいずれかが求められている。継続雇用の導入が全体の約8割だが、労使協定で「人事評価が一定以上」などの基準を設ける企業が多い。
研究会は希望者全員が65歳まで働ける制度が必要としたうえで、雇用継続に関する基準を「廃止すべきだ」と提言した。ただ、法律で定める定年の年齢を一律で60歳から65歳に引き上げる措置は今後の検討課題にとどめた。
厚生年金の支給開始年齢は段階的に引き上げられており、2013年度からは60歳で仕事がない人は一時的に収入がなくなってしまう。