石巻・雄勝で「復興市」 雨の中、住民集まる
東日本大震災の津波で壊滅状態となった宮城県石巻市雄勝地区の中心部で28日、震災後初めての「復興市」が開かれた。あいにくの雨模様となったが、会場には地区外の避難所に身を寄せる住民らが集まり、久しぶりの笑顔が広がった。
津波で被災した石巻市雄勝総合支所の前に、店舗を流された地元商店などのテントが並んだ。自宅が全壊し地区外の避難所から訪れた山下綾子さん(77)は、知人を見つけて「どうしてた? 元気だった?」と笑顔。集まった住民らを見回し、「みんな雄勝に帰ってきたいんです」と思わず涙ぐんだ。
自宅も店も津波で流された八百屋経営の佐藤勝則さん(69)は「みんながんばってるから、私らもがんばらないと」。5月上旬からトラックで地区内を回り、移動販売を続けている。
病院や郵便局、商店などが集まった地区中心部は津波で建物の大半が損壊・流失。地区の人口約4千人のうち地区内に残るのは約千人で、他は地区外の避難所や親族宅などに身を寄せている。