泳ぐ内視鏡で大腸撮影 全長4.5センチ、がん診断に威力
龍谷大など開発
遠隔操作で体内を"泳ぐ"小さなカプセル内視鏡を龍谷大理工学部(大津市)や大阪医科大(大阪府高槻市)などのチームが開発し、人間の胃と大腸の撮影に成功したと21日、発表した。
チームによると、自走式のカプセル内視鏡で大腸を撮影したのは世界初。大塚尚武龍谷大名誉教授は「小型で容易にのめる。患者の負担を減らせる上、内視鏡の向きや場所を精密に制御でき、がんなどの正確な診断につながる」としている。
この内視鏡は愛称「マーメード(人魚)」。従来のカプセル内視鏡に魚の尾びれのような駆動装置を付けたもので、直径約1センチ、長さ約4.5センチ。1秒に2枚撮影でき、尾びれは体外装置の電磁石で動かす。カメラのバッテリーは8~10時間持つ。胃では口からのみ、大腸では尻から挿入する。
これまで撮影が難しかった小腸を含む全消化管を数時間で検査できるようになる可能性がある。〔共同〕