岩手・平泉と小笠原諸島、世界遺産に登録へ
ユネスコ諮問機関が勧告
政府は7日、世界遺産への登録を目指す「平泉の文化遺産」(岩手県平泉町)、「小笠原諸島」(東京都小笠原村)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から登録を求める勧告が出たと発表した。6月にパリで開く世界遺産委員会で最終決定するが、2件とも登録がほぼ確実になった。登録されれば、国内の世界遺産は16件になる。
文化遺産候補の平泉は奥州藤原氏が12世紀に築いた中尊寺などの寺院や遺跡群。2008年にも世界遺産委で審査されたが登録は見送られており、今回は評価を見直した上での再挑戦になる。対象史跡は東日本大震災による被害はなかった。登録で国際的な知名度が上がって観光客が増えることが期待され、東北地方の復興に貢献しそうだ。
自然遺産候補の小笠原諸島は海に囲まれて固有の生態系を保ってきたことから「東洋のガラパゴス」と称され、オガサワラオオコウモリやクロアシアホウドリなど希少種が生息する。登録対象の面積は陸地と海域で計約7940ヘクタール。国内の世界自然遺産は計4カ所になる。
一方、政府がフランスなどと共同で文化遺産への登録を推薦していた建築家ル・コルビュジエ設計の「国立西洋美術館本館」(東京都)などは今回勧告が出ず、後日通知されることになった。