長野県松本市で震度5強 新幹線は平常運転
セイコーエプソン臨時休業に
30日午前8時16分ごろ、長野県中部で強い地震があり、同県松本市で震度5強を観測した。気象庁によると、震源の深さは約4キロ、地震の規模はマグニチュード(M)5.4と推定される。午前8時21分に震度4の地震を観測するなど、午前9時半までに震度1以上の余震が計5回あった。
松本市は災害対策本部を設置。同市や県などによると市内では午前11時現在、女性(70)がベッドから落ちて骨折した疑いがあるなど男女9人が負傷。約90人が自主避難した。
同市内では店舗の壁が壊れたり、瓦が崩落したりした。国宝の松本城は、天守閣の壁にひびが入った。10戸で停電し、濁り水も10戸で発生。私立高校1校が休校、幼稚園9園が休園となった。
長野県内に拠点が集まるセイコーエプソンは松本市内の2事業所を臨時休業し、設備点検を進めている。JRの在来線の一部や松本電鉄が運転を見合わせた。長野新幹線は平常運転を続けた。
気象庁によると、松本市周辺は1923年以降、M5を超える大きな地震は確認されていない。震源は「糸魚川―静岡構造線断層帯」の一部で、政府の地震調査委員会が東日本大震災で地震発生確率が高まった可能性があるとした「牛伏寺断層」の近く。同断層が動いたかは「現段階では分からない」という。周辺では29日午後7時から本震までの間に震度1~3の地震が計8回発生、地震活動が活発化していた。
各地の震度は次の通り。
震度5強=松本市丸の内▽震度5弱=同市沢村▽震度4=同市美須々、長野県山形村役場