朝寝坊、どうして? 京大がたんぱく質特定
朝寝坊にかかわる脳内のたんぱく質を京都大の岡村均教授らが発見、25日までに明らかにした。このたんぱく質は朝の時間帯だけ働き、脳にある体内時計を動かすきっかけをつくっていた。時差ぼけや睡眠障害を防ぐ治療薬の開発に役立つ可能性がある。
岡村教授らは体内時計の役割を果たす細胞が集まる脳内の部位「視交叉(こうさ)上核」だけで見られるたんぱく質「RGS16」に着目、働きを調べた。RGS16は朝の1~2時間だけ特定のたんぱく質と結合し、細胞内に信号が入る状態にしていた。この信号をきっかけに視交叉上核にある細胞の体内時計が動き出していた。
遺伝子組み換えでRGS16のできないマウスは、体内時計が遅れて働くことで朝寝坊をするようになった。このたんぱく質に作用する化合物などを探索すれば、睡眠障害などの新たな治療薬の開発につながるという。