東電次期社長に西沢常務 勝俣会長は留任
東京電力は20日、福島第1原子力発電所の事故処理などの責任をとり、6月末に清水正孝社長(66)が辞任する人事を発表した。後任には西沢俊夫常務(60)が就任する。勝俣恒久会長(71)は当面留任し、事故収束のめどがたった段階で辞任する見通し。
東電は勝俣氏や清水氏を含む経営陣の大幅刷新を検討してきた。しかし、原発事故への対応が続いているだけでなく、夏の電力不足などの対応に迫られている。経営陣の一斉交代で社内が混乱しかねないと判断。清水氏が6月の株主総会でまず退任し顧問となる。勝俣会長は当面経営陣に残る。
西沢氏は、経営計画の立案や政府との窓口役を担う企画担当。原発事故後も、政府による損害賠償(補償)支援の枠組みづくりなどにかかわってきた。東電は勝俣氏と西沢氏を中心に当面の政府との交渉や経営再建策づくりに取り組む。
清水氏は現在、被災者支援の責任者をつとめているが、原発事故後に体調不良で入院して経営の第一線を離れたこともあり、批判を浴びた。
西沢 俊夫氏(にしざわ・としお)75年(昭50年)京大経卒、東京電力入社。06年執行役員、08年常務。長野県出身。60歳。
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