鹿児島の山形屋、28日に債権者集会債務株式化を提案へ
鹿児島市の老舗百貨店、山形屋が私的整理の一種「事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)」手続きに入り、営業を継続しながら経営再建を目指すことになった。28日に開かれる債権者会議では、約360億円に上る債務について、株式化などの負担軽減策を柱とした事業再生計画が提案される見通し。岩元修士社長らは留任するとみられ、取引先の鹿児島銀行など地元経済界は一丸となって支援する構えだ。 ADR手続きに入っているの…
都市住民が地方に一時的に住んで活性化に取り組む「地域おこし協力隊」をきっかけとした移住が増えている。最長3年の任期後も同じ地域に住み続ける定住者は2023年に7214人。全体の6割強で、1年前より14%増えた。山口県萩市は地元住民らが暮らし方を指南するなど、地域とのつながりを深める仕組みで定住を後押しする。 地域おこし協力隊は都市部の若者らが山村や離島などに移り住み、任期付き公務員などとして地域…
町工場発のスタートアップ、KOTOBUKI Medical(埼玉県八潮市)は、手術の練習に使う模擬臓器の輸出を拡大する。模擬臓器の材料はコンニャクだ。長年培った技術で人体組織を精巧かつ安価に再現し、国内外の医療機器メーカーからの引き合いが増えている。海外販売スタッフを増強し、一気に海外展開を加速する考えだ。 模擬臓器はコンニャクを主成分とした原料を型に流し込むなどしてつくる。筋肉や血管、腫瘍など…
中国電力の水力発電所、俣野川発電所(鳥取県江府町)が大規模改修工事を進めている。太陽光発電など再生可能エネルギーの導入が進む中、同発電所は電気が余って地域に停電を引き起こす恐れがある「需給の不均衡」を防ぐ役割があるという。7月まで続く工事はその機能に磨きをかけるものだ。 俣野川発電所は同町の隣にある岡山県新庄村の「土用ダム(上池)」と江府町の「俣野川ダム(下池)」の間にある。「揚水式発電」と呼ば…
食品充塡機大手の四国化工機(徳島県北島町)は、グループ会社の東洋科学(茨城県古河市)で4月からヨーグルト用紙容器の製造を始めた。古河市の工場に月900万個の紙容器を量産できる3本のラインを新設した。東洋科学は飲料やマーガリン向けのプラスチック容器を扱う子会社だが、国内外でプラ容器への風当たりが強まる中、紙との2本立てで環境対応を進める。 東洋科学の本社工場に導入したのは、1ライン当たり1時間に8…
金属加工のアルム(金沢市)は、切削機械を動かすプログラムの作成時間を短縮する。複雑な形状に仕上げる場合、ソフトが設計図を読み込むのに時間を要して自動作成に3時間前後かかっていたが、画像処理半導体(GPU)を使い処理速度を90倍にして2分ほどで済ませる。ソフトはクラウド上で提供し、人手不足や技能継承に悩む工場などに使ってもらう。 アルムは2021年、3次元CAD(コンピューターによる設計)のデータ…
長野県南部の南箕輪村で移住者が増え続けている。保育料の引き下げといった子育て支援の拡充にいち早く取り組んだことなどが奏功し、現在は住民の7割を移住者が占める。その1人でもある藤城栄文村長に、地域の現状や課題を聞いた。 ――村の調査では約1万6000人の村民のうち村外からの転入者が73%を占めています。 「村の移住者が一定以上に増え、抵抗感が薄れていることもあるのではないか。すでに知人がいることな…