覚醒剤密輸、5件目無罪判決 裁判員裁判
航空貨物で覚醒剤約6キロを密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)罪などに問われたメキシコ人男性被告(34)の裁判員裁判の判決公判が1日、東京地裁であり、合田悦三裁判長は「犯罪組織と共謀したかどうか疑いが残る」として男性に無罪(求刑懲役15年、罰金800万円)を言い渡した。
裁判員裁判の全面無罪判決は8件目、うち覚醒剤密輸事件は5件目。
検察側は「被告は来日前に犯罪組織から多額の資金提供を受け、大量密輸の受取人になった」として事前共謀が推認されると指摘したが、合田裁判長は「密輸の意思を犯罪組織と事前に通じ合っていたことが常識に照らして間違いないとはいえない」と述べた。
裁判員を務めた会社員男性(60)は判決後の記者会見で「論理的に証拠を検証した」と話した。