カルビーがほれた新潟の大豆「一人娘」、危機から復活
日本海の離島、粟島（新潟県粟島浦村）産の青大豆「一人娘」が存続危機から一転、復活を遂げている。きっかけは、カルビー社員の一目ぼれならぬ「一味ぼれ」。スナック菓子の原材料として使うためカルビー自ら粟島で栽培を始め、2024年の生産量は最大で23年比2倍を見込む。島内でのみ流通していた一人娘を、全国ブランドへ育てていく。 「この豆、すごくおいしくない？」。カルビーのマーケティング本部ブランド戦略室の…
セレクトショップ大手のビームス（東京・渋谷）が、企業の製品やイベントプロデュースなど事業の幅を広げている。支えるのが、様々な分野の知識や経験が豊富な社員たちだ。設楽洋社長（73）は「消費者と企業のコミュニティーが重要になっている」と指摘し、社員の個性を伸ばして「スター」に育てる経営に力を入れる。 ――新型コロナウイルス禍でファッション業界は大きな打撃を受けました。どのように危機を乗り越えましたか…
店舗やイベントスペースの企画・運営を手掛けるBAKERU（東京・港）は、アンケートに答えるとスマートフォンのデータ通信容量を獲得できるサービスを始める。利用料金は無料で18〜25歳に限定する。データ利用料を抑えたいZ世代と、Z世代の声を集めたい企業からの需要を見込む。 サービス名は「みんギガ」で、格安スマホサービス「mineo（マイネオ）」のオプテージ（大阪市）などと共同で開発した。利用者に無料…
米アップルは16日、スマートフォン「iPhone」をレジのような店頭の決済端末として使える機能を日本で始めた。近距離無線通信（NFC）を使い、来店客はタッチ決済対応のクレジットカードなどを店側のiPhoneにかざすだけで支払える。中小小売店などのキャッシュレス決済の普及につなげる。 飲食店や小売店などはiPhoneと対応アプリを用意するだけで決済を完了できる。専用の読み取り端末は不要だ。まずリク…
アサヒビールの松山一雄社長が抱えるのは「国内ビールの味覚への評価は高まっているのに、なぜ市場が縮んでいるのか」という問題意識だ。 人気タレントを使い、巨費を投じたテレビCM、飲食店への営業攻勢――。それでも落ち込んでいったのは少子高齢化、消費志向の多様化という時代の流れにビールがずれていったからだ。 おじさん中心の「成熟商品」と化したビール。やはり新規顧客が細るモノやブランドは廃れる運命にある。…
2025年国際博覧会（大阪・関西万博）の開催まで1年を切った。経済界で注目を集めるのが、大阪府・市が運営するパビリオンの展示・出展ゾーンだ。大阪を中心とする400社近くの中小企業・スタートアップが「浮く靴」や「光る植物」といった未来技術を週替わりで展示する。 暗室に入ると、家庭園芸でおなじみのペチュニアがほのかな光を発していた。暗闇に目が慣れると花弁の形がはっきりと分かる。大阪大学の永井健治教授…
【シリコンバレー=渡辺直樹】米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者（CEO）は15日、生成AI（人工知能）の規制について「世界的な枠組みが必要になる」との見方を示した。欧州連合（EU）や日本など世界各地で独自にAIを規制する動きが広がる中、世界共通の基準づくりを進め、技術革新と安全のバランスを重視すべきだと述べた。 14日から始まった最新技術を発表するイベントに合わせ、米西部カリフォルニア…
米ゼネラル・エレクトリック（GE）は4月、3社への分社化を完了した。20世紀を代表する経営者と称されるジャック・ウェルチ元最高経営責任者（CEO）が築き上げた複合企業（コングロマリット）は解体され、航空エンジン、医療機器、電力の3社に分かれた。企業価値向上の切り札はトヨタ自動車流のカイゼンだ。米屈指の名門企業は輝きを取り戻せるのだろうか。 23年1月にMRI（磁気共鳴画像装置）などを手がけるGE…
医療分野に特化した仮想現実（VR）ソフトウエア開発のジョリーグッド（東京・中央）を経営する。主力サービスは医師の視点で外科手術や救急救命などの現場を追体験できる医学生向けの学習コンテンツだ。 VRで一般的なCG（コンピューターグラフィックス）ではなく、医療現場で撮影した実写映像にこだわる。看護師向けのコンテンツも豊富だ。月額11万円からのサブスクリプション（定額課金）で動画約600本分の手術や看…
空前の香水ブームが続いている。街では香水の香りが以前より感じられ、新ブランドの日本上陸やイベントなど話題が尽きない。有名ブランド品を持つことがステータスだったバブル期時代から様変わりし、個の時代の令和では自分の内面と向き合うためのアイテムに。ファッションと同様、香水も時代を映す鏡だ。 東京・渋谷駅近くの「MIYASHITA PARK」を歩くと、色々な香りがしてくる。老舗百貨店の香水売り場とも、濃…
建設会社の倒産が止まらない。帝国データバンクによると、2023年の倒産は全国で約1700件。22年比38.8%増で、前年比ではリーマン・ショックに見舞われた08年（17.3%増）を上回った。 背景には人手不足と資材価格の高騰がある。工事の採算が大幅に悪化し、大手ゼネコンの清水建設でさえも24年3月期は上場以来初の営業赤字に転落する見通しだ。 この危機的状況に、2つの2024年問題が追い打ちをかけ…
