消える新京成電鉄の社名、｢カーブ式｣で駆け抜けた歴史
「準大手」と国土交通省が分類する鉄道会社が東日本からなくなる。千葉県北西部のJR松戸駅―京成津田沼駅間を走る新京成線の運行会社、新京成電鉄が2025年4月、親会社の京成電鉄に吸収合併される。カーブが多い路線で、ピンクの車両が右に左に曲がって走行する姿が親しまれてきた。「カーブ式」が生まれた時代背景や高度成長期以降の発展の歴史を振り返る。 新京成線は1946年、京成電鉄の子会社として誕生した。千葉…
都市住民が地方に一時的に住んで活性化に取り組む「地域おこし協力隊」をきっかけとした移住が増えている。最長3年の任期後も同じ地域に住み続ける定住者は2023年に7214人。全体の6割強で、1年前より14%増えた。山口県萩市は地元住民らが暮らし方を指南するなど、地域とのつながりを深める仕組みで定住を後押しする。 地域おこし協力隊は都市部の若者らが山村や離島などに移り住み、任期付き公務員などとして地域…
スタートアップのPilz（ピルツ、秋田県横手市）は障害者が農業に携わる「農福連携」に乗り出す。2024年夏に就労支援事業所を開設し、シイタケや観葉植物、昆虫を育てる。個性や適性に応じ意欲的に働ける環境を整え、農業の担い手確保にも役立てる。 事業の中心となるピルツウエルネス合同会社（横手市）を2月に立ち上げた。ピルツの敷地内に就労支援事業所「リウォークス」を開設する。建物は広さ約150平方メートル…
日本海の離島、粟島（新潟県粟島浦村）産の青大豆「一人娘」が存続危機から一転、復活を遂げている。きっかけは、カルビー社員の一目ぼれならぬ「一味ぼれ」。スナック菓子の原材料として使うためカルビー自ら粟島で栽培を始め、2024年の生産量は最大で23年比2倍を見込む。島内でのみ流通していた一人娘を、全国ブランドへ育てていく。 「この豆、すごくおいしくない？」。カルビーのマーケティング本部ブランド戦略室の…
東京の異常な住宅価格高騰が続くなか、隣接する千葉県市川市に注目が集まる。2024年の公示地価の上昇率（11.8%）は、東京ディズニーリゾートを抱える浦安市や子育て世代人気の流山市を上回り県内首位に立った。特長は東京への利便性もさることながら、市の名前を冠する市川駅と、都営地下鉄が乗り入れる本八幡駅の「2つの核」を擁することだ。双方が競うように開発や街づくりが進む。 「小池さん（百合子都知事）には…
町工場発のスタートアップ、KOTOBUKI Medical（埼玉県八潮市）は、手術の練習に使う模擬臓器の輸出を拡大する。模擬臓器の材料はコンニャクだ。長年培った技術で人体組織を精巧かつ安価に再現し、国内外の医療機器メーカーからの引き合いが増えている。海外販売スタッフを増強し、一気に海外展開を加速する考えだ。 模擬臓器はコンニャクを主成分とした原料を型に流し込むなどしてつくる。筋肉や血管、腫瘍など…
四国にある地銀8行の2024年3月期決算が出そろった。連結純利益が前の期比で増益だったのは5行だった。債券関係損益や株式売却益が改善した銀行が目立つ。25年3月期は取引先の破綻に備える信用コストの増加などで、増益予想は2行にとどまる。日銀のマイナス金利政策の解除後の動向について、各行トップは緩やかな金利上昇が経営のプラスになるとみている。 いよぎんホールディングス（HD）は2年連続で過去最高益を…
