車の木・金休業「効果100万キロワット」 中部電社長
中部電力の水野明久社長は23日、名古屋市の本店で夏の電力供給について記者会見した。主なやり取りは以下の通り。
――73万キロワットの追加供給の見通しが立った。
「緊急時対応で供給予備率は5%程度まで確保できたが、やっと集めてもこれくらいかという感覚だ。安定供給には予備率が8~10%はないと綱渡りになる。他社からの応援融通や自家発電設備を持つ事業者からの電力買い取りなどで、確保に最善を尽くしたい」
――他社からの応援融通については。
「他社の需給状況にもより、現段階でどの程度融通が受けられるかは不透明だ。現在話は進めている。融通が受けられる上限量は180万キロワットだが、各社が東京地域への応援融通を現状通り続けるとなれば、当社が融通してもらえるのは80万キロワット程度と考えている」
――液化天然ガス(LNG)など火力発電に必要な燃料調達の状況は。
「LNGは(追加必要量の約320万トンのうち)おおよそ半量は確保。夏場の必要量にはメドがついたので、秋冬に向けた調整を今後進める」
――産業界への節電要請は。
「(工場などの)大口顧客中心にどの程度の節電協力が可能かを個別で聞き取っている。一部の事業者からは計画調整により生産をシフトしてもらうといった対応も見込めそうだ。ただ、電力会社は顧客に対して一方的に節電を強いることはできない。あくまでも大口顧客には個別聞き取りでお願いしていく」
「(節電対策として木・金曜日を一斉休業にすると決めた)日本自動車工業会の取り組みには感謝申し上げる。効果として100万キロワット程度の電力需要の減少を見込んでおり、これは供給予備率の約4%に匹敵する」
――国への支援要請は。
「まだ具体的には進んでいない。話せる段階になったら明らかにする」