校庭の放射線量、表土は2倍 地上1メートル比で目安
学校周辺の地上1メートルの空間放射線量と比べて、鉄筋コンクリートの校舎の教室内は0.1倍、土のグラウンド表面は2倍、側溝は5~10倍――。福島県南相馬市や相馬市の小学校で、東京大医科学研究所や現地の医師らが調べた結果、こうした傾向が明らかになった。医師らは「調査していない学校でも線量を推測する際の目安になるのではないか」としている。
東大医科研の坪倉正治医師によると、両市で住民向けに開いた放射線の説明会で「子供が長時間過ごす学校で、具体的に線量が高い場所を知りたい」との声が多く寄せられ、学校や自治体とも連携して6月に計測した。
教室の窓際と廊下側では線量がほとんど変わらなかったほか、1階と3階の教室でも違いはなかった。靴箱は空間線量と同程度。掃除道具入れはやや高かった。アスファルトの表面は1.5倍、校庭のブランコ下の水たまりは2~3倍、雨どいの下は10倍だった。
坪倉医師は「数値が高い場所は水で洗い流したり、流せない場所は目印を付けたりする対策が有効だ」と話している。〔共同〕