「モバゲー」に排除命令 公取委、グリーの取引妨害
携帯電話向けソーシャルゲームサイト「Mobage」(旧モバゲータウン)を運営するディー・エヌ・エー(DeNA、東京・渋谷)が、ゲームソフト開発会社とライバルのグリー(東京)が取引するのを妨害したのは独占禁止法違反(不公正な取引方法)に当たるとして、公正取引委員会は9日、再発防止を求める排除措置命令を出した。
公取委によると、DeNAは昨年7月ごろから、約40社の開発会社に対し「グリーにゲームを提供しないように」と要求。拒否した十数社のソフトをモバゲーの人気ランキングから外したり、検索してもゲームが表示されないようにしたりするなどして、開発業者とグリーとの取引を妨害した。
公取委は、要求を断り切れない弱い立場にある開発業者の「囲い込み」をした結果、グリーとの取引を断念する業者が出たほか、ゲームの更新ができなくなったグリーの営業戦略にも影響が出たことを重視。独禁法で禁じた取引妨害に当たると判断した。
ソーシャルゲーム市場は急拡大しており、民間調査会社によると、2009年度に338億円だった国内市場規模は11年度には1千億円超に達する見通し。DeNAが昨年、モバゲーの開発仕様を外部企業に公開してゲーム開発を促したところ、グリーも追随し、競争が激しくなっていた。
公取委は昨年12月、DeNAを立ち入り調査していた。
DeNAの話 排除措置命令を真摯に受け止め、改めて全社を挙げてコンプライアンス(法令順守)体制の充実、強化と一層の意識向上に努める。