楽天、ブラジルに進出 現地EC大手を傘下に
楽天は7日、ブラジルの電子商取引(EC)サービス大手イケダ(サンパウロ)を子会社化したと発表した。年内にもブラジルで「楽天」の名を冠した仮想商店街事業を立ち上げる。ブラジルでは経済成長に伴いインターネット通販が急成長しているが、米アマゾン・ドット・コムなど米欧のEC大手は未進出。いち早く参入することで利用者の囲い込みを目指す。 楽天はブラジルの中小商店を中心に加盟店を募り、「楽天」ブランドで通販サイトを始める。楽天の海外進出は中国や米国に続き、これが7カ国・地域目。
5月下旬にイケダの発行済み株式の75%を取得した。取得金額は公表していない。社長は創業者のリカルド・ヨウイチ・イケダ氏が留任する。
イケダは1996年設立。小売りやメーカーからEC開発・運営を請け負い、ネット経由でシステムの機能を提供する「SaaS(サース)」型サービスではブラジル最大手。パナソニックなど日本企業も含め、約150社を顧客に抱える。
BRICsのうち参入したのは中国に次いで2カ国目。同日、記者会見した楽天の三木谷浩史社長は「中国に次いで、最も成長する可能性が高い国の一つ」と述べた。中南米のネット利用者のうち4割をブラジルが占めるという。
楽天は主力の仮想商店街「楽天市場」で日本以外の27カ国に進出する目標を掲げる。1兆円強の年間流通総額のうち約6%にとどまる海外比率を「7割に引き上げる」(三木谷社長)としており、海外市場開拓を急ぐ。
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