有効求人倍率17カ月ぶり悪化 4月0.61倍
厚生労働省が31日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント低下の0.61倍だった。東日本大震災による影響を受け岩手・宮城など東北地方を中心に求人倍率が低下、17カ月ぶりに悪化に転じた。新規求人倍率も0.03ポイント低下の0.95倍と3カ月連続で悪化した。
震災からの復旧・復興に向け、がれき処理や建物の再建にあたる建設業や自治体での求人は増加したものの、事業主の被災による離職者が増加。新規求人数が5.8%増加した一方で、新規求職申込件数は9.7%増加した。
都道府県別の有効求人倍率を見ると、被災した岩手が0.06ポイント低下の0.41倍、宮城が0.06ポイント低下の0.44倍。いずれも落ち込み幅は全国最大だった。福島は横ばいの0.49倍だった。西日本でも部品供給の停滞による減産の影響を受け求人倍率が低下するなど、震災の影響がみられる。
前年同月と比べると、新規求人数は12.2%増えた。建設業が34.5%増、情報通信業が29.9%増など幅広い分野で増加した。宿泊業・飲食サービス業は8.4%減少した。正社員の有効求人倍率は0.34倍で、0.08ポイント改善した。〔日経QUICKニュース〕