東電、役員報酬7億2300万円 株主400人が原発撤退提案
東京電力は10日、2011年3月期の取締役24人の報酬総額が7億2300万円だったと開示した。定時株主総会向けに配る前期の事業報告に記載した。1人あたりの平均報酬は3千万円強になる。
10年3月期の報酬総額は取締役21人で7億2100万円。1人当たりの平均報酬は3400万円程度だった。東電は政府からの支援を受ける過程で、今年5月から副社長以上の代表取締役8人は報酬を全額返上、常務取締役は6割削減を実施している。
また東電は招集通知で株主402人が原子力発電事業からの撤退を定款に盛り込むように求める議案を出したと開示した。同様の株主提案はこれまでもあったが、提案に加わった株主の数は昨年の273人から大幅に増えた。
東電では福島第1原子力発電所事故の処理費用が膨らみ、前期の連結最終損益が1兆2473億円の赤字となった。議案に対し取締役会は反対する方針で「事故の調査結果やエネルギー政策全体の議論などを踏まえて検討する」としている。
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