小沢系から相次ぐ批判、首相は途中退席 民主両院総会
法案成立「完全燃焼する覚悟で」
民主党は28日午後5時過ぎから、両院議員総会を開いた。菅直人首相(党代表)は退陣条件として示した2011年度第2次補正予算案や再生エネルギー特別措置法案、赤字国債発行法案の成立について「残された時間で完全燃焼する覚悟で取り組みたい」と述べた。
質疑応答では小沢一郎元代表を支持する議員を中心に、菅首相の早期退陣を求める声や現執行部を批判する意見が相次いだ。菅首相は公務のため、午後6時前に退席した。
菅首相の発言や質疑応答の主な発言は以下の通り。
<菅首相あいさつ>
▽(退陣の条件とした2011年度第2次補正予算案や再生エネルギー特別措置法案、赤字国債発行法案の成立について)党と内閣の両輪でこの問題に取り組んでいきたい。残された時間、完全燃焼する覚悟でこの3つの課題に取り組んでいきたい。
▽(2次補正予算案について)7月中旬には成案ができるようになっている。
▽エネルギー政策をどのような方向にもっていくかは次期国政選挙で最大の争点、議論になる。
▽(福島第1原子力発電所事故について)我が国の原子力行政の脆弱性が明らかになった。(事故直後の対応については)残念ながら(情報が)必ずしも十分でないために、国民に正確な状況を説明できなかったことをおわびする。
▽(原子力行政について)禍根を残さないような方向性を打ち出すところまではやらせていただきたい。
<議員からの発言>
▽菅首相が「私の顔を見たくなければ再生エネルギー特別措置法案を通せ」と述べたことは、いわば首相を信任している人が少ないということだ。それならば法案を通す前に辞めなくてはならず、その認識が欠けており国会を冒涜(ぼうとく)している。
▽権力者が自ら道を絶つということは最大の決断であり、党内の仲間とのきずなを立て直していただきたい。
▽現執行部と閣僚は新代表の下で新執行部や閣僚にならないでほしい。
▽社会保障と税の一体改革に伴う消費税の増税や復興財源としての所得税・法人税の増税については、党内で一定のコンセンサスを取ってほしい。
▽現執行部は新しい代表を速やかに選ぶ作業を進めてほしい。
▽退任する首相が、なぜ方向性を出すのか。今できることをやるべきだ。
<菅首相の発言>
(退陣を巡る一連の発言については)なぜそこまで頑張るかとの見方もあるかもしれないが、次に安定して引き継ぐという点で真意をお伝えしている。
私個人が何かを得たいとかそういうことではなく、2年前に政権をいただいた民主党が少なくともこの2年間に信頼なり理解なりを得られていない中で、残された2年で必ずや理解してもらい信頼を回復する道筋があると思っている。
次の選挙でも理解と信頼がもらえることにつなげる意味で行動している。
〔日経QUICKニュース〕