中国の消費者物価5.3%上昇 4月、抑制目標上回る
工業生産は13.4%増、伸び率鈍化
【北京=多部田俊輔】中国国家統計局が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.3%の上昇となった。3月の伸び率は5.4%。原材料の高騰と人件費の上昇で政府の抑制目標の「4%」を7カ月連続で上回った。中国は当面、金融引き締めを継続するとみられるが、インフレが鈍化すれば引き締めのペースも緩やかになる可能性がある。
中国当局は4月に利上げなどで金融引き締めを強化。さらに政府は野菜価格引き下げのために補助金を投入したり、食品・日用品メーカーに値上げ見送りを行政指導するなど物価高の抑制に動いた。自動車や家電などの販売に陰りが出ており、景気過熱がやや収まってきた面もある。鉄鋼など一部産業では生産過剰から値下がりが起きた。
工業生産は前年同月比13.4%増で、伸び率は3月の14.8%を下回った。消費動向を示す4月の社会消費品小売総額も17.1%増で、3月の17.4%を下回った。