EU大統領がギリシャに苦言 「党利党略の政治やめよ」
欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領(首脳会議の常任議長)は17日、訪問先のダブリンで講演し、ギリシャについて「党利党略の政治をやっている時間はない。あまりに多くの危険がある」と述べ、財政再建策をめぐる与野党の政治対立に苦言を呈した。
大統領はギリシャ向け第2次支援策に関し(1)2011年の財政計画の軌道修正(2)民営化を含む今後3年間の中期財政・改革計画(3)EUと国際通貨基金(IMF)による追加融資(4)国債借り換えなど民間金融機関の自発的な関与――の4本柱になると明らかにした。
ギリシャ支援に関する民間の関与は「債務不履行(デフォルト)の引き金を引かないこと」を条件として強調。同時に、ギリシャの政府、すべての政党、経済界の指導者が「責任をとる」よう要請し、財政赤字削減や構造改革でギリシャ国内の結束を促した。(ブリュッセル=瀬能繁)