熱中症で搬送、1週間で3000人 猛暑で前年の5.3倍に
20~26日、全国で 消防庁の速報値
熱中症のため6月20~26日に病院へ搬送された人は全国で2996人に上ったことが28日、総務省消防庁の速報値で分かった。先週の猛暑が原因で、前年同期の5.3倍に当たり、わずか1週間で昨年6月の搬送者数(2276人)を上回った。搬送直後に死亡した人は7人だった。
消防庁は、各都道府県に熱中症への住民の注意喚起を要請。「節電は大事だが、エアコンも使うなどして室温が28度を超えないよう心掛けてほしい」としている。
速報値によると、搬送時点の症状は重症が94人(3%)、中等症が1024人(34%)、軽症が1771人(59%)。
年齢別では65歳以上の高齢者が1528人(51%)を占めた。生後28日以上7歳未満の乳幼児は35人(1%)で、消防庁は「体温調節機能が弱いため、周囲の大人が注意すべきだ」としている。
都道府県別で搬送者が多かったのは愛知379人、埼玉281人、大阪246人。ほかに東京、神奈川、京都、兵庫、岡山が100人台だった。
熱中症の救急搬送数は5月30日以降の3週間は各週202~291人だった。しかし、埼玉県熊谷市で6月の国内観測史上最高となる気温39.8度を記録した24日は、この日だけで792人が全国で搬送された。
熱中症による救急搬送は2008年から集計が始まり、昨年8月は最悪の2万8448人に上るなど近年は増加傾向が続いている。昭和大の三宅康史准教授(救急医学)は「梅雨の合間は蒸し暑さなどから熱中症が増える。工事現場や学校の部活動などは責任者が早めに切り上げることなどが必要」と注意を促している。
〔共同〕