アマゾン、年6500円で映画ネット配信 米有料会員向け
【シリコンバレー=奥平和行】インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コムは22日、年間79ドル(約6500円)の定額制で5000本超の映画やテレビ番組が見放題になるネット配信サービスを米国で始めたと発表した。米国では動画の有料配信を巡る競争が激しくなっており、アマゾンも主力のネット小売りで築いた顧客基盤を生かして事業を拡大する。
新サービスは同社の有料会員サービス「アマゾンプライム」に加入する利用者を対象に開始した。アマゾンプライムは79ドルの年会費を払うと購入額に関係なく買った商品の送料が無料になるサービス。既に会費を払っている利用者は追加の支払いなしで動画を視聴できるようになる。
動画はストリーミング方式で配信し、パソコンやネット接続できるテレビなどを通じて視聴する仕組み。アマゾンは既に9万本以上の映画やテレビ番組をレンタル方式などでネット配信している。新たにアマゾンプライムの会員向け配信を手掛けることで、配信サービスの認知度を高めてレンタルなどの売上高を拡大する狙いがありそうだ。
米国ではアップルなどのIT(情報技術)大手、DVDレンタルのネットフリックス、メディア大手が共同出資するHulu(フル)などが動画の有料配信サービスで競っている。22日には放送大手のCBSがネットフリックスと番組配信で合意するなど、メディアと配信企業の合従連衡も盛んになっている。