熱中症の死亡、半数は自宅や庭 無理な節電に注意
2010年、死者の8割が65歳以上
昨年の熱中症による死者1718人のうち、1362人(79.3%)は65歳以上だったことが厚生労働省のまとめで分かった。死亡した場所は「自宅や庭(車庫など含む)」が783人(45.6%)で最も多かった。同省は「節電を意識するあまり健康を害さないように無理にがまんせず、適度にエアコンなどを利用して予防してほしい」と呼びかけている。
熱中症による死者は、平均気温が統計史上最高だった猛暑の影響で昨年は、過去最多だった2007年(904人)の約2倍だった。
5歳階級別では80~84歳が318人で最も多く、次いで85~89歳(274人)、75~79歳(265人)の順で、75歳以上が特に多かった。男女別では男性が920人、女性が798人だった。
死亡した場所別では、「詳細不明」の774人を除くと、最多だった「自宅や庭」以外では、「農場」(62人)、「街路やハイウエー」(20人)、「工場や建築現場」(19人)の順。
都道府県別では東京(272人)が最多で、大阪(139人)、埼玉(124人)で100人を超えた。最も少なかったのは沖縄の4人で、長崎、大分が各7人、島根、山口、佐賀が各8人の順だった。
厚労省によると、室内で就寝中に熱中症となり、救急搬送されたケースもあった。同省は「熱中症は予防できる」として、水分補給や通気性のよい衣服の着用などの予防法を紹介している。