楽天、クレジットカード事業を再構築 1000億円の損失計上
楽天(4755)は2日、クレジットカード事業を再構築し、子会社への債権放棄や貸金債権の譲渡などで2011年4~6月期の連結業績で約1000億円の損失を計上すると発表した。再構築では楽天の子会社でクレジットカード事業の楽天KC(福岡市)から「楽天カード」や関連事業を同じく楽天子会社の楽天クレジット(東京・品川)に8月1日付で承継させる。あわせて楽天が持っていた楽天KCの普通株と第2種優先株をすべて大証2部上場で中堅ノンバンクのJトラスト(8508)に約45億円で譲渡する。
このほか楽天が楽天KCに対して持っていた劣後ローン債権100億円と、その他の貸金債権30億円の合計130億円を債権放棄することもあわせて発表した。楽天KCに対する貸付金のうち債権放棄対象を除く370億円はJトラストに同額で売却する。
一連の再構築に伴い楽天は「前年度と同等の営業利益等の水準を前提とした場合でも、個別・連結業績とも当期純損失となる可能性がある」と明らかにした。2011年12月期通期の決算では3期ぶりに最終損益が赤字に転落する可能性が出てきた。
金融事業の再編は、グループの貸金事業を縮小し、クレジットカード事業に注力するために実施する。楽天KCから事業を引き継ぐ楽天クレジットに対し,楽天は約300億円の増資を引き受ける。再編後、楽天KCは楽天グループではなくなるため社名は「KCカード」に変更する予定。楽天クレジットも一連の再編にあわせて社名は「楽天カード」に変える。
楽天は2日の午後5時30分から都内で記者会見を開き説明する。〔日経QUICKニュース〕