ウィリアム英王子が結婚 パレードに100万人
英国のチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の長男で、王位継承順位2位のウィリアム王子(28)と一般家庭出身のキャサリン・ミドルトンさん(29)が29日、ロンドンのウェストミンスター寺院で結婚式を挙げた。現地メディアによると、「将来の国王」が貴族階級ではない一般家庭出身の女性と結婚するのは1660年のヨーク公(後のジェームズ2世)以来、約350年ぶり。
「ケイトさん」の愛称で親しまれたキャサリンさんは父親に付き添われ、アイボリーホワイトのウエディングドレス姿で式場に。ドレスは高級ブランド「アレキサンダー・マックイーン」の英国人デザイナー、サラ・バートンさん制作で、イングランドなど英国の主要地域を象徴する4種類の花模様があしらわれた。
式場にはキャメロン英首相夫妻や、故ダイアナ元妃の葬儀で追悼歌を歌った英人気歌手エルトン・ジョンさん、王子と親しいサッカーの元イングランド代表主将ベッカム選手夫妻ら約1900人が招かれた。
式を終えた新郎新婦は晴れ間がのぞくロンドン中心部を馬車でバッキンガム宮殿までパレード。王子は敬礼、キャサリンさんは笑顔で沿道の大観衆からの祝福に応えた。宮殿に到着後、2人はエリザベス女王らとバルコニーに姿を見せ、口づけを交わした。ロンドン警視庁によると、ロンドン中心部に集まった観客は約100万人に上った。
英王室にとって今回のロイヤルウエディングは、世界が熱狂した皇太子とダイアナ元妃との1981年の結婚以来の大きな慶事。王子は国民の人気が高く、世論調査では「皇太子より王子を次の国王に」という意見が多い。キャサリンさんとはスコットランドのセントアンドルーズ大学在学中に知り合った。
英王室は29日、ウィリアム王子を「ケンブリッジ公」に叙したと発表した。公爵は同国貴族の中で最高位。キャサリンさんは「ケンブリッジ公妃殿下」となる。
(ロンドン=上杉素直)