中国版フェイスブックなど3社、米で公募価格割れ
相次ぐ資料訂正、投資家が不安視
【北京=多部田俊輔】米国で5月前半に上場した中国のインターネット企業3社の株価が低迷している。中国版フェイスブックとされる中国最大のSNS(交流サイト)「人人網」を運営する人人などの株価が先週末時点でそろって公募価格を割り込んだ。上場直前の経営資料の訂正などが原因とみられ、投資家からは中国ネット企業の経営実態を不安視する声が出ている。
人人は5月4日に上場。公募価格は14ドル(約1100円)で、初日の終値は18ドルだったが、先週末の終値は13ドル台まで下落した。その後に米国で上場した携帯電話用ソフト開発の網秦と結婚紹介サイト運営の世紀佳縁はともに上場初日に公募価格を下回った。
株価低迷の原因については、外資系金融機関幹部は「中国ネット企業の経営の信頼性が揺らいでいる」と指摘する。人人と世紀佳縁は上場直前に利用者数やグループ企業の概要を訂正。網秦も中国メディアが消費者の利益を損なう行為をしていると報じている。
5月上場組の苦戦を受け、中国の証券アナリストは「米国での中国ネットバブルははじけた。今後上場する企業は厳しい目を向けられるだろう」との見方を示す。