国内乗用車生産、4月は6割減 スズキが首位に
トヨタ・ホンダ8割減
国内乗用車8社が27日まとめた4月の国内生産実績(速報値)合計は前年同月比60.1%減の27万9345台と、7カ月連続で減少した。東日本大震災の影響で生産工場が一時操業停止に追い込まれたことが引き続き響き、減少率は3月(57.5%減)よりも大きかった。トヨタやホンダがそろって8割減となり、スズキが首位に立った。輸出も軒並み大幅な減少となった。
トヨタの国内生産は78.4%減の5万3823台となり、統計記録が残る1976年以来の過去最低の生産台数となった。31.1%減の5万8398台だったスズキに抜かれ2位になった。
ホンダは81.0%減の1万4168台と、1997年11月の統計公表以来で過去最低だった。震災に加え、夏場の電力不足への対応で新車の生産ラインを埼玉製作所(埼玉県狭山市)から鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に移管するため生産が一時停止したことも影響したという。
もっとも、減産の主因である部品調達に一定のメドがたち、各社は生産の正常化に向けて動き出しつつある。三菱自動車は同日、5月と6月の国内生産が正常化する見込みと発表。ホンダは北米の生産が8月にほぼ正常化する。ホンダ広報は「海外が先行して(正常化の時期を)リリースしているが、国内も夏場の生産正常化に向けて最大限の努力をしている」と話した。
【4月の生産・輸出・販売実績】
国内生産 海外生産 輸出 国内販売
トヨタ 53823 254732 31025 37332
(▲78.4) (▲25.5) (▲79.3) (▲68.0)
ホンダ 14168 124330 6473 27086
(▲81.0) (▲43.5) (▲76.2) (▲46.3)
日産自 44193 203831 14642 24068
(▲48.7) (▲12.7) (▲72.0) (▲37.5)
スズキ 58398 162434 17121 28637
(▲31.1) ( 12.2) (▲30.0) (▲42.7)
三菱自 27481 40758 19491 8700
(▲31.7) ( 2.6) (▲30.1) (▲18.9)
マツダ 35313 26700 20606 9761
(▲49.7) ( 7.1) (▲62.1) (▲33.1)
ダイハツ 20578 20360 984 24467
(▲62.6) (▲33.2) (▲72.6) (▲44.6)
富士重 25391 8900 8182 8724
(▲37.6) (▲32.5) (▲72.4) (▲17.9)
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合計 279345 842045 118524 168775
(▲60.1) (▲19.7) (▲67.9) (▲49.7)
注)単位:台、カッコ内は前年同月比増減率(%)、▲は減。
〔日経QUICKニュース〕