鳥インフル、名古屋コーチン農場で感染確認 愛知県新城市
愛知県新城市の名古屋コーチンなどを扱う種鶏農場で14日、高病原性鳥インフルエンザが疑われる鶏が見つかり、同県が遺伝子検査を実施したところ、H5型の感染が確認された。県は家畜伝染病予防法に基づき、この農場で飼育する約1万6千羽の殺処分を始める。
県内では先月、新城市に隣接する豊橋市で高病原性鳥インフルエンザが発生している。
県によると、14日午前7時50分、新城市内にある名古屋コーチンや採卵鶏、ウコッケイなどを扱う種鶏農場から東部家畜保健衛生所(豊橋市)に、飼育鶏に異常が認められるとの通報があった。同所の検査員が現地で調べたところ、約20羽が死んでいた。簡易検査の結果、5羽中4羽が鳥インフルエンザの陽性反応を示した。県は中央家畜保健衛生所(岡崎市)で遺伝子検査を実施し、高病原性鳥インフルエンザのH5型を検出した。
県は感染確定を受けて、発生農場の鶏の殺処分に着手。感染拡大防止のため、農場から半径10キロ以内を対象に鶏や病原体を広げる恐れのある物品の移動を禁止する。
新城市役所農業課によると、感染疑いの一報が入ったのは14日午前11時すぎ。市では先月の豊橋市での鳥インフルエンザの発生を受け、養鶏農場に消毒用の消石灰を配るなど警戒を強めていた。
疑い事例が出た農場を運営する会社の担当者は「13日は異常が無かったが、14日の朝になって鳥が死んでいるのが見つかった」と説明。同じ敷地内には13の鶏舎があり、「すべての鶏の移動を自粛した」という。
同市によると、養鶏業は市の農業生産額の30.4%を占める主要産業の一つ。卵と鶏肉を合わせた年間生産額は約20億円に上る。