楽天保有のTBS株、取得の半値以下が確定
買い取り訴訟、最高裁が抗告棄却
楽天が保有する東京放送ホールディングス(TBS)株の買い取り価格を巡り、双方が合意できずに司法判断を求めた問題で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は20日までに、1株1294円とした東京高裁決定を支持し、同決定を不服とした楽天側の抗告を棄却する決定をした。TBS側の主張に沿った金額で決着することになった。決定は19日付。
TBSは2008年12月の株主総会で、単独株主が33%超(議決権ベース)の株式を保有できない「認定放送持ち株会社」への移行を決議。大株主の楽天は移行に反対し、会社法に基づいてTBS側に約3777万株の買い取りを請求したが、価格面で折り合わず、裁判所に価格の決定を申し立てていた。
同小法廷は決定理由で、反対株主が買い取りを求める場合の価格の決め方は、裁判所の裁量に委ねられていると指摘。価格決定の基準日を「買い取り請求のあった日」とし、認定会社移行による企業価値の変動はなかったと認定して、楽天が買い取りを求めた09年3月31日の終値である1294円をそのまま買い取り価格とした昨年7月の東京高裁決定を「結論として是認できる」と判断した。
高裁判断に先立つ昨年3月の東京地裁決定も、1株1294円と判断していた。
楽天のTBS株の平均取得価格は約3100円。楽天側は認定会社移行が企業価値を損なったとして、移行発表前の株価を織り込んだ、より高い価格での買い取りを求めていた。