2010年の交通事故死、高齢者が過半 総数は10年連続減
2010年に全国の交通事故で死亡した65歳以上の高齢者は2450人(速報値)で全体の50.4%を占め、統計を取り始めた1966年以降初めて半数を上回る見通しとなったことが2日、警察庁のまとめで分かった。全体の死者数は前年より51人少ない4863人で、10年連続で減少した。都道府県別では、東京と北海道が215人で並んで全国最悪。東京のワースト1は43年ぶり。
高齢者の割合は、これまで87年の20.9%が最低だったが、人口の高齢化を背景に09年までに約2.4倍に膨らんだ。
10年は上半期ベースでも初めて半数を超え、うち約半分は歩行中の事故だったことが判明。同庁は、免許更新時の高齢者向け講習の充実などに加え、「歩行中の事故対策が急務」としている。
昨年の事故発生件数は72万4811件、負傷者は89万4281人で、ともに6年連続で減少した。全体の死者数の減少について、同庁はシートベルト着用率の向上などが要因とみている。
飲酒運転による死亡事故も282件(同)と、過去最少を更新する見通しだ。
一方、都道府県別では、前年まで5年連続でワースト1だった愛知が前年比30人減の197人で、全国6番目となった。愛知の死者数の減少幅は全国最大。福岡で25人減、宮崎で22人減となるなど計26道府県で減少。一方、栃木や三重、佐賀が25~21人増、東京でも10人増となるなど計20都県で前年を上回った。
交通事故による死者は1970年の1万6765人が最多。最近では2000年の9066人から減少が続き、09年には57年ぶりに5千人を下回る4914人に。
昨年の死者はピーク時の3割以下まで減少し、5月26日には、日付別の統計を取り始めた1968年以降で過去最少となる「全国で死者1人」を記録した。それでも1日当たり平均13人が死亡している計算という。