本場所、全容解明まで中止 巡業は年内見送り
八百長問題 相撲協会が正式決定
八百長問題に揺れる日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、春場所(3月13日初日、大阪府立体育会館)の中止を正式に決定した。問題の全容が解明されるまでは場所を開催せず、すべての地方巡業を今年いっぱい見合わせることも確認した。65年ぶり2度目、不祥事が理由では初めての本場所中止は、大相撲興行の無期限の凍結という前例のない事態に発展した。
記者会見した放駒理事長(元大関魁傑)は「膿(うみ)を完全に出し切るまでは、おそらく土俵上で相撲をお見せすることはできない」と発言。親方衆の間では、技量審査という形で相撲を無料公開する案もでたが、理事会は「信頼を回復するまでは失礼」と結論づけた。
八百長の実態調査は第三者からなる特別調査委員会(座長・伊藤滋早大特命教授)が進めているが、疑惑が持たれている力士と親方の14人を対象とする調査は難航。最終報告が得られるまで、大相撲は多くの活動を休止することになる。
竹縄親方(元幕内春日錦)らすでに八百長の事実を認めている3人には、調査委の最終報告を待ってから処分をする。理事長以下、協会幹部の責任問題も「自覚しているが、今は問題解決に力を注ぐ」(同理事長)として、先送りした。