宮崎で鳥インフルの疑い 鶏36羽死ぬ
高病原性の可能性
農林水産省は21日夜、宮崎市で高病原性鳥インフルエンザに感染した疑いのある鶏が見つかったと発表した。同日に36羽が死に、うち6羽が県の簡易検査で陽性と判明。県は引き続き遺伝子検査を実施する。同省は「高病原性鳥インフルエンザ防疫対策本部」(本部長・鹿野道彦農相)を開き、陽性反応が出た場合の防疫方針を決めた。
遺伝子検査は22日朝に確定する見込み。防疫方針は(1)発生農場の10キロ以内の養鶏などの移動制限(2)当該農場の家禽(かきん)の殺処分、焼却(3)周辺農場の異常状況の確認(4)専門家チームの派遣――など。県との連携のため松木謙公・農水政務官も現地に派遣する。
発生農場は約1万羽の鶏を飼っており、半径10キロ以内に51の養鶏場があるという。今回の感染ウイルスについて農水省は「強毒性の可能性はかなりある」としている。
一方、宮崎県も21日夜、高病原性鳥インフルエンザ防疫対策会議を開き、同日就任したばかりの河野俊嗣知事が「封じ込めをした上で迅速な対応を」と職員に指示した。
県は移動自粛対象の鶏が半径5キロ圏も含め約193万羽に上ることを明らかにした。
宮崎県では2007年、3カ所の養鶏場で鳥インフル感染が発生し、計約20万羽を殺処分している。昨年4月には牛や豚の農場で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)が発生し、計約29万頭を殺処分して8月に終息宣言を出したばかりだった。