ハンドル奪い高速バス横転 広島、殺人未遂容疑で大学生逮捕
25日午後11時55分ごろ、広島県東広島市河内町入野の山陽自動車道下り線で、南国交通(鹿児島市)の大阪発鹿児島行き高速バスが横転し、乗客10人と乗員2人の計12人全員がけがをした。
県警東広島署は26日未明、運転手からハンドルを奪って事故を引き起こし乗客らを殺そうとしたとして、乗客だった鹿児島大3年、楫田(かじた)優希容疑者(22)=鹿児島市荒田2=を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。
逮捕容疑は、走行中のバスを横転させた疑い。
同署によると、ほかの乗客9人と、乗員2人は大阪、兵庫、鹿児島3府県の14~69歳の男女でいずれも軽傷だった。楫田容疑者も軽いけが。「自殺したかった」などと供述している。
同署によると、高速バスが休憩で立ち寄ったサービスエリアを出発した後、楫田容疑者が後方の座席から立ち上がり車内を徘徊(はいかい)。運転手に「降ろせ」と要求した。
交代要員として同乗していた別の運転手が制止したが、楫田容疑者は振り切ってハンドルをつかみ、左に切ったため、バスは路肩に乗り上げて横転。事故後の車内で乗客が楫田容疑者を取り押さえ、警察官に引き渡した。
現場は山陽自動車道河内インターチェンジ(IC)の西約1キロ地点。事故により、河内IC―高屋ジャンクションの下り線が約5時間半通行止めとなった。〔共同〕