チュニジア混乱拡大、内務相を更迭
【カイロ=花房良祐】チュニジアで雇用を求める若者らによる抗議デモが激化し、混乱が広がっている。死者は50人を超えたとの欧州人権団体の報告もある。ベンアリ大統領はカシム内務相を更迭したほか、2年で30万人の雇用を創出すると発表したが、事態は沈静化していない。
チュニジアでは約20年にわたりベンアリ氏が独裁体制を敷いており、過激なデモは珍しい。首都チュニスなどで昨年12月ごろからデモが続いており、当局との衝突で多数の死者が出ている。数千人規模の抗議集会が開かれたとの報道もある。
デモのきっかけは昨年12月に就職先が見つからなかった大卒男性が路上で野菜などを販売していたところ、警察官が営業許可がないとして摘発。男性はガソリンをかぶり焼身自殺した。
チュニジア経済は昨年に約3.8%の経済成長を達成したもようだが、若年層は恩恵を受けていないとして不満を募らせている。