監視委、北越紀州紙株相場操縦で課徴金勧告 アルゴリズム取引悪用
証券取引等監視委員会は25日、北越紀州製紙の株式で相場操縦をしたとして、横浜市在住の30代男性デイトレーダーに対し57万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。大手証券会社などが導入している「アルゴリズム取引」を悪用した違反事例として初めての事案という。
男性は、実際には成立させるつもりのない売買注文を「見せ玉」として発注。コンピューターが自動的に発注を繰り返すアルゴリズム取引により株価を1~2円単位で上下させ、不正に利益をあげていた。
東京証券取引所が10年1月に導入した「アローヘッド」システムは売買注文の処理速度を高速化している。監視委は「瞬時に約定されるため『見せ玉』は出来なくなるという話もあったが、できた」と指摘。「むしろ高速で取引がなされることを逆手にとって、短い時間の間に細かい相場操縦を繰り返すことができた」とみている。〔日経QUICKニュース〕
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