日水と極洋の4~12月期、ともに経常減益
水産大手の日本水産と極洋が4日発表した2010年4~12月期連結決算は、経常利益がそろって減少した。マグロやサケなど水産物市況が回復基調にあり、本業の水産部門は堅調に推移。だが日水は食品部門が減益となり、為替差損も負担となった。極洋は海運市況の低迷が尾を引き、冷蔵運搬船事業の赤字が拡大した。
日水の売上高は前年同期比1%増の3703億円。水産加工会社などが新たに連結対象に加わったほか、チリのサーモンの価格が高値で安定し、日本や南米向けに出荷が増えた。極洋はサケやカニなど水産物の値上がりと出荷増で、売上高は11%増えた。
経常利益は日水が10%減の56億円、極洋が27%減の16億円。日水は魚肉ソーセージなどの原料価格が高騰して食品部門の収益を圧迫した。円高で為替差損が15億円発生したことも響いた。極洋は天候不順で中南米産バナナが不作だったうえ、欧州景気の低迷で冷蔵運搬船事業が落ち込んだ。