水陸両用バスでスカイツリー観光 江東区が導入へ
2012年秋めど、予算案に2100万円計上
東京都江東区は2012年秋をめどに区内の河川に水陸両用バスを走らせる。発着地点となる「川の駅」を整備し、運行を担う事業者を誘致する。隣接する墨田区に同年春、東京スカイツリーが開業するのをにらみ、区内を流れる河川を活用して観光客を呼び込む狙い。
川の駅は江東区と江戸川区の境を流れる旧中川の河川敷に開設する予定。地下鉄東大島駅の南側で、入水・上陸用のスロープを整備する。駅の設計費などとして、江東区は11年度予算案に2100万円を計上した。
周遊ルートは未定だが、川の駅を出てからしばらく旧中川を運行し、また駅に戻ってくるルートを想定している。今後、運行事業者を選定し、陸上でのルートも含めて共同で検討する。「水陸両用バスでホテルを出発してスカイツリーに向かい、その後に旧中川をバスで周遊するというコースもあり得る」(山崎孝明区長)とし、ツリー見学の観光客を呼び込む狙いだ。
同区が水陸両用バスに注目したのは「定期運行はおそらく都内では初めて」(土木部)という目新しさだ。「水しぶきを上げて入水する楽しさがあり、陸上を走っていても特徴的な形が注目を集めるはずだ」と期待する。
各地で導入例が増えていることも同区の背中を後押しした。ダックツアー・タイコー(神戸市)は3年前から、神戸港の湾内を20分程度かけて一周するツアーを開始。運行開始以来、5万人以上の利用があるという。日本水陸観光(大阪市)も07年に大阪市の大川を運行するツアーを始めている。