フィリピン中銀、政策金利0.25%引き上げ
【マニラ=遠西俊洋】フィリピン中央銀行は24日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利と翌日物貸出金利を0.25%引き上げ、それぞれ4.25%、6.25%にすることを決めた。即日実施した。食料や原油など物価上昇を受けたもので、金利変更は2009年7月以来1年8カ月ぶり、引き上げは08年8月以来2年7カ月ぶりとなる。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は昨年4月、経済政策を平時に戻す「出口戦略」に着手することで合意している。比の金利引き上げにより、タイやインドネシアなどすべてのASEAN主要国が金融引き締めに動いたことになる。
フィリピンでは今月発表の2月消費者物価指数(CPI)が前年同月比4.3%上昇と、1月より上昇幅が0.7ポイント拡大。CPI全体に占める比率が46.6%と高い食料品は4.3%上昇、燃料・電気・水道代も9.9%上昇した。1~2月で3.9%と政府目標(3~5%)の範囲内だが、中東・北アフリカの政情不安で原油相場に先高観が出ていることなどを考慮した。
比経済は昨年、国内総生産(GDP)成長率が前年比7.3%、CPI上昇率が同3.8%と堅調だったため史上最低水準の金利を維持した。