福島の3市町村産シイタケ、規制値上回る放射性物質
政府は10日、福島第1原子力発電所の事故で暫定規制値を超える放射性物質が検出され出荷制限を指示していた茨城県産の原乳について、出荷停止を解除した。同日採取した原乳の検査で、3週連続で解除基準の数値を下回った。一方、福島県の飯舘村など3市町村で8日に採取したシイタケからは規制値を上回る放射性物質が検出された。
茨城県では水戸市と河内町で3月19~21日採取した原乳から規制値(1キログラム当たり300ベクレル)を上回る900~1700ベクレルの放射性ヨウ素を検出していた。これに対し、県内5カ所で4月10日採取した原乳の放射性ヨウ素は3~10ベクレルと解除基準の100ベクレルを下回った。県によると、出荷停止で約9億円の被害が出た。
同県は今後、県内を3地域に分け、約1週間ごとに検査し放射性物質を監視する。検査結果が判明するまで原乳は地域ごとに保管し、出荷や乳製品の製造をしない。
福島産シイタケからは飯舘村で放射性ヨウ素が1キログラム当たり1万2000ベクレル、セシウムが1万3000ベクレルで規制値(放射性ヨウ素は2000ベクレル、セシウムは500ベクレル)を大幅超過。伊達市と新地町ではセシウムがそれぞれ1460ベクレル、550ベクレルだった。いずれも露地栽培で出荷されていないが、同省は同県に、摂取を控えるよう住民に情報提供することを要請した。